【1周年記念企画】TANKANESSライターが選ぶ好きなTANKANESS記事

企画

2019年4月30日、平成最後の日に始まったTANKANESS。

2020年4月30日の本日、無事1周年を迎えることができました! 

読者のみなさま、ならびにTANKANESSライターのみなさま、本当にありがとうございます!

吟行、歌会、連作、百人一首、短歌ワークショップ、短歌エッセイ、短歌コラージュなどなど…いろいろな方面から「短歌」について発信してきました。

もちろん、まだまだ短歌結社や学生短歌会、近代短歌、韻律についてなどなど、取り上げるべき「短歌」の情報はまだまだあるので、今後もたくさんの記事をお届けしていきたいと思っています。

とはいえ、1年間で公開した記事の数は46!

読み逃した記事や見逃していた企画もたくさんあるはずです。

ということで、今回は「TANKANESSライターが選ぶ好きなTANKANESS記事」をお送りします!

それぞれのライターに自分の記事のなかで好きな記事も挙げてもらっているので、そちらもあわせてお楽しみください。

 

まずは、大庭有旗さん、杉田抱僕さんが同じ記事を挙げていたので、まとめてご紹介します。

「歌集に出てくるごはんしか食べられない! 1週間歌集ごはん生活」

歌集に出てくるごはんしか食べられない! 1週間歌集ごはん生活 /のにし

選んだ人 大庭有旗

大庭 有旗

93年生まれ。文章を書いたり、短歌を詠んだり、お酒を飲んだりします。お金がない。

note: https://note.mu/gustrongerr
twitter @gustrongerr

自選短歌

「自殺率」コメンテーターの解説を分母で息をしながら聞いた

自分が書いた記事で好きな記事
 気持ちを言葉にできないのなら、全部短歌にしてしまえ。

 

僕が好きな記事は、のにしさんが書いた「歌集に出てくるごはんしか食べられない! 1週間歌集ごはん生活」です。こういうバカっぽい(褒めてます)企画、大好きです。まずタイトルで笑っちゃいました。

どうしてそんなことしなきゃいけないんだ。 と思って読んでみたら、食べ物が登場する短歌は思ったより豊富で、結構優雅な食事をされててさらに笑っちゃいました。お金がなくて、1日にセブンのからあげ棒1本とかしか食べてなかった、いつかの僕の食生活より全然豪華でした。笑ってごめんなさい。全然負けてました。

少し気持ちを入れ替えて真面目に記事を読んでみると、食べ物が出てくる短歌、めちゃくちゃいい歌多いじゃん、という発見。感情を無理に言葉で説明しなくても、そう感じた場面や景色を描写したら不思議と伝わってしまう、という力が短歌にはあると思っていて、それが短歌の好きなところでもあるんですが、そういう意味で短歌と食べ物って相性がいいのかもしれない。食べ物ってその時の心境とかを自然と反映していることが多いから。

最後に特に好きだった歌を。

カフェラテの泡薄くなる昼下がり欲しいものなら奪ってしまおう (『Midnight Sun』佐藤涼子)

そういえば食べ物の短歌、作ったことなかったな。今度からあげ棒の短歌作ってみます。 

選んだ人 杉田抱僕

杉田抱僕

短歌を始めて約10年。好きな歌集はたくさんありますが、ここ数年は『しんくわ』(しんくわ/書肆侃侃房)推しです。この歌集を読んで短歌が面白いと全人類に気づいてほしい。短歌以外では読書や旅行が好きです。

Twitter @hoboku_57577

自選短歌

日焼け痕一つもなくてペンギンに遠い体で秋を迎える  『ぺんぎん暮らし』

自分が書いた記事で好きな記事
 ミソヒトサジ〈定食〉で遊ぼう! 〜ゲームで覗く短歌の楽しみ〜

 

なべとびすこ編集長の呟きを見て(自分がやるなら……)とワクワクが膨らんだこの企画。チャレンジ記事ももちろんワクワクしながら読みました。

この記事の楽しさは、「チャレンジャーが選んだ歌集を読者が読んでいるか」と「チャレンジャーと読者の食生活が近いかどうか」で方向性が変わってくると思います。

自分は読んでいる歌集も食生活もあまりカブっていなさそうだったのですが、とある歌集にホットケーキがよく登場すると知って気になったり、もっとガッツリ系のメニューを! と思っていたら「主食の短歌って少ないな。おやつとか食材が多い印象。」という分析に出会って(でもあの短歌があるもん!)と反論したくなったり、サッポロ一番みそラーメンが食べたくなったり……という風に楽しみました。

知っている短歌が登場すれば、「あの歌のこれを食べるか!」と興奮してしまうのもお約束です。

1食を複数の短歌で組み立てることもあるので、この記事ならではという歌の取り合わせを味わえるのも楽しいポイントでした。パンとベーコンエッグとミルクの、それらが出てくる短歌3首の、食べ合わせの妙。 1週間×3食、14冊46首をぜひ味わってみてください。

 

次にこちらも2人から選ばれた連載をご紹介します。

1ヵ月で溜まったいらない紙を短歌コラージュにして供養する シリーズ

1ヵ月で溜まったいらない紙を短歌コラージュにして供養する シリーズ/ルイージ店長

現在第4回までの記事が公開されています。

第1回

第2回

第3回

第4回

こちらの連載は、のにしさん、篠田くらげさんに選んでいただいています。

選んだ人 のにし

のにし

気の向くままに歌会やイベントに出没しています。趣味は古本屋巡り。詰まった本棚を見ると、ときめきます。

Twitter @no_nonishi

自選短歌

心には大きな鳥が飛んでいて横切るたびに木々がざわめく

自分が書いた記事で好きな記事
 歌集に出てくるごはんしか食べられない! 1週間歌集ごはん生活

日々捨ててしまうチラシから5文字と7文字を切り出して、コラージュで短歌を作る。限られた枠の中から、言葉を探すということがパズルみたいで面白い。

この企画で興味深いのは、どう言葉を選んで、組み立てて行くかが可視化されていること。短歌の制作をのぞき見出来る機会はそうそうない。 短歌を始めてから生活の中で5文字と7文字を意識するようになった。5・7・5なんか見つけてしまうととてもテンションが上がる。街中で、「使いたい!」と思うフレーズを見かけても結構すぐに忘れてしまう。その点コラージュなら残るからいいな、と思ったり。

第4回目で使いたい単語に対して、「こだわり過ぎてなかなか進みませんでした」というところですごく頷いてしまった。わかる、すごくわかる。お気に入りのフレーズが使いたいがために袋小路にはまってしまうことがある。あるあるなんだなと思って少し安心した。

普通に読んだ感想文みたいになってしまったが、短歌を作ったことがない人にはワークショップの感覚で入口になるし、短歌に親しんでいる人には自分の手持ちにない言葉で作る、いい刺激になりそうだと思う。何人かでわいわい言いながら作ってみたい。

 

選んだ人 篠田くらげ

篠田くらげ

2007年、偶然聞いたラジオ番組をきっかけに短歌を始める。「未来短歌会」所属。「アポロ短歌堂」「嶌田井書店」メンバー。普段は短歌を詠んだり、書評を書いたり、文学フリマに出たりしています。

Twitter @samayoikurage

自選短歌

縞馬は沈む夕日に気づかない待っているからポストに入れて

自分が書いた記事で好きな記事
 初期の自作を添削してみた

私の好きな記事はルイージ店長さんの「1ヵ月で溜まったいらない紙を短歌コラージュにして供養する」です。

短歌は季語もいらないし、何を詠んでもいいので自由度が高いです。ただ、一方でそれがハードルの高さになっています。「短歌やってみたい」と思っても「何を詠めばいいの?なんでもいいって言われてもね……」ってなっちゃうんです。

でもチラシやダイレクトメールの言葉を組み合わせる」だったらハードルはずっと低くなります。「これはやれる気がする、やってみよう!」ってすごく大事だと思うんです。

しかも、なべとびすこさんの「ミソヒトサジ」もそうなんですが、意外な組み合わせが読みによって「いい短歌」になるんです。作者がいい歌を作ることももちろん大事なんですが、読みによって作者の意図を超えていい歌になることが短歌ではよくあります。コラージュで作った短歌を人に見せて読みを聞いても楽しそう。

さらにルイージ店長さんの記事は短歌を作るだけじゃなくて、写真やイラストを使ってかっこよくしたり、おもしろくしたりしていて、短歌の新しい楽しみ方を拓いていると思います。

ということで、今後も連載が続くといいなと思っております。

 

新しい短歌の遊び方を考える〜カラオケ短歌コラージュ編

新しい短歌の遊び方を考える〜カラオケ短歌コラージュ編/なべとびすこ

選んだ人 高下龍司

高下 龍司(koge)

「まあいっか」「わかっちゃいるけどやめられない」「他力本願」を心のクリーンナップに据える会社員。隙あらばアルコールを摂取するので基本電車か徒歩移動。

ふんがふんがブログ(仮)

Twitter @kooooge

自選短歌

エアコンとコンニャクのコンいっしょかないっしょじゃないかないっしょじゃないな

自分が書いた記事で好きな記事
 初心者向け短歌ワークショップに短歌初心者が参加したら、ちゃんと短歌が詠めた

カラオケ短歌コラージュはものすごい秀逸な企画だと思いました。

自分で言葉を考えるというよりも、あるものから選ぶ感じなので、短歌初心者でも参加しやすいと思います。 数人で順番に言葉をあてはめていくので、最終的に各々の想像が及ばない仕上がりになっていて、めちゃくちゃ笑いました。

第8戦で「選曲した人の次の人が配置をする」というルールに変えたため選曲が無法地帯に突入した後、第9戦では言葉を取りやすいようにタイトル長めの曲が多く選ばれるという、やさしさあふれる展開もよかったです。

 

【連載】あなたの29年間は

第1回 神丘風さん、嫉妬林檎さんの作品はこちら

第2回 のつちえこさん、御殿山みなみさんの作品はこちら

第3回 なべとびすこさん、継野史さんの作品はこちら

第4回 山下翔さん、西村曜さんの作品はこちら

第5回 夏山栞さん、山川築さんの作品はこちら

第6回 山川創さんの作品はこちら

選んだ人 かつらいす

かつらいす

なべとびすこさん主催の「短歌ど素人の会」をきっかけに、2014年から短歌をつくり始めました。知れば知るほど広がってゆく大きな海のような短歌の世界を、これからもゆるゆると旅していきたいです。

Twitter @v_vTitiu

note https://note.mu/v_vtitiu

自選短歌

目を閉じて私の髪は赤毛って想像したら少し楽しい

自分が書いた記事で好きな記事
 大阪の遊園地「ひらかたパーク」で「ひらパー吟行」をしよう!

 
この連載企画は、同じ年生まれの11名の歌人が、短歌の連作20首とエッセイで自分自身の29年間を振り返るというものです。
 
生きてきた環境も、職業も、短歌と出会ったタイミングも、もちろんひとりひとり違うはずですが、同じ時期に同じ年の歌人が詠んだ短歌を連載で読める、というのが読者として嬉しかったです。
 
MDプレイヤーや就職活動の話など、同年代ということで共通している話題もあるし、違う部分もある。
それぞれの歌人が大切にしているものが連作20首を通して垣間見えて、読み応えがありました。
 
ところで、神丘 風さんのエッセイを読みながら、これは魔法みたいだと思いました。普通の文章を読んでいるつもりが、なぜか短歌のリズムが頭から離れないのです。おもしろいですね。

 

「タピオカ」を短歌に詠みたい! 初心者だらけの「短ピオ歌」歌会

「タピオカ」を短歌に詠みたい! 初心者だらけの「短ピオ歌」歌会/テクノアサヤマ

選んだ人 貝澤駿一

貝澤駿一

1992年横浜市生まれ。「かりん」「gekoの会」所属。2010年第5回全国高校生短歌大会(短歌甲子園)出場。2015年、2016年NHK全国短歌大会近藤芳美賞選者賞(馬場あき子選)。2019年第39回かりん賞受賞。

Twitter@y_xy11

note:https://note.com/yushun0905

自選短歌

まっさらなノート ピリオド そこにいるすべての走り出さないメロス

自分の書いた記事で好きなもの
 短歌の「連作」ってどうやってつくるの? ~短歌連作ドラフトをやってみた~
 

まず、「初心者だらけ」の歌会の題を「タピオカ」にしたのがセンスの光るところ。少
々短歌に慣れている歌人だったら、「タピオカ」の短歌なんて気恥ずかしくて詠めません
(笑)

しかし、歌会でよくある抽象的な題ではなく、「タピオカ」を短歌に詠むという企画にし
たことで、自分の思いをそのまま書いてもいいんだという短歌の一番大切な部分がライタ
ーさんたちに伝わったのではと思いました。

随所に挟まれるなべとさんの歌人目線のコメントもすごく的確で、さながら入門書を読
んでいるようでした。感覚的なことばになりがちな短歌を作るときの「コツ」を、わかり
やすく具体的なアドバイスで示していて、短歌を知らない人に少しでも広めていきたいと
思っている僕にとってとても参考になりました。

 

初心者向け短歌ワークショップに短歌初心者が参加したら、ちゃんと短歌が詠めた

初心者向け短歌ワークショップに短歌初心者が参加したら、ちゃんと短歌が詠めた/高下龍司

選んだ人 なべとびすこ

なべとびすこ(鍋ラボ)

「やってみたいを、やってみよう」を合言葉に、なんでもやっている歌人です。短歌のワークショップをやったりボードゲームを作ったりしながら、よくカラオケに行っています。

Twitter @nabelab00

Blog  なべとびすこのなすべきこと

note https://note.mu/nabetobisco

通販  鍋ラボ公式通販

自選短歌

ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる町 でもふるさとを他に知らない

自分の書いた記事で好きなもの
 短歌をはじめるまでの話

この記事は完全な短歌初心者の高下さんが、初心者向け短歌ワークショップに参加して短歌を完成させるまでのレポートです。

私も短歌ワークショップを行っていますが、「初心者向けとはいえ難しいんじゃないの?」と緊張する参加者も多数いらっしゃいます。興味よりも不安が勝って、実際にワークショップの参加をためらう方もきっと大勢いるはずです。

そんな方がこの記事を読んで、緊張感も込みで、「あ、参加したいな」「短歌やってみたいな」と思える記事になって要ると思いました。

また、大先輩Webメディア「デイリーポータルZ」の投稿欄「自由ポータルZ」に掲載されたり、「短歌 初心者」「短歌 ワークショップ」などでネット検索する方にも読まれていたりと、TANKANESSの読者層以外の方に広く届いており、編集長として非常にありがたい記事なのです。
この記事をきっかけに短歌ワークショップに参加し、今も短歌を続けている方もいらっしゃいます。TANKANESSというWebの媒体が、人の行動を後押ししたことが実感できました。

 

まとめ

「TANKANESSライターが選ぶ好きなTANKANESS記事」をお送りしました。

1つしか選べないのが心苦しいくらい、まだまだ紹介したい記事もたくさんありました。

どれも非常に思い出深く、いろいろありながらも1年やってきて良かったなあ〜という気持ちになっています。

しかし、最初に書いた通り、まだまだTANKANESSで発信したいことはたくさんあります。

毎週更新はなかなか難しいですが、これからも細く長く続けていきたいと思っています。

また、5月1日に新しい企画が始まります。

こちらもお見逃しなく!

今後ともTANKANESSをよろしくお願いいたします!

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