こんにちは、TANKANESSライター、歌人のなべとびすこです。
短歌を始めたのが2014年の夏。それから約5年短歌をやってきました。「短歌やってます」って言うと、けっこうな確率で「俳句とどう違うんですか?」って聞かれるんですよね。
そのたび、短歌は「5・7・5・7・7」が基本で季語が要らなくて、俳句は「5・7・5」が基本で季語が要りますよ〜みたいなことを答えてきました。「俳句に比べて短歌の良さってなんですか?」と聞かれることもよくありました。
私は短歌だけをやってきたから、「俳句と比べて」って言えないんですよね。だって俳句のことを知らないのに、比べるのも失礼な気もしますし…。(しかもそういう質問をしてくる人は、テレビで「プレバト」を熱心に見てたりするので、私より俳句について詳しかったりする)
とりあえず俳句のことを知るために、本も読んだりしました。
コ・ト・バ・を・ア・ソ・ベ!Vol.1 俳句を遊べ! 編/佐藤文香
天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック 編著:佐藤文香
そして曖昧な知識のなかで、おそらく自分は短歌のほうが向いてるんだなと思いつつ、俳句は俳句で面白そうと思っていました。
まずは1回やってみたい!
ということで、前置きが長くなりましたが、今回の企画は「歌人(短歌やってる人)と俳人(俳句やってる人)、一緒に吟行(ぎんこう)に行こう!」です。
吟行(ぎんこう)って何?
「吟行(ぎんこう)」についてですが、短歌や俳句を知らない方は「吟行(ぎんこう)」と言うと「銀行?」って感じですよね。
簡単に言うと、吟行とは、どこかに出かけて短歌や俳句を作ることです。
「え〜めっちゃ雅(みやび)やん」って思うかもしれないんですけど、吟行は別にどこに出かけてもいいんです。寺社仏閣とかだけじゃなくて、動物園、水族館、遊園地、コンビニ、イオン…など行く場所は自由です。
私が「吟行」を知ったのは短歌を始める前に読んでいた『短歌の作り方、教えてください』という本でした。
この本は歌手の一青窈さんに歌人の俵万智さんが短歌を教える、というものです。その中の「特別吟行会」という企画で、一青窈さん・俵万智さん・穂村弘さんの3人が吟行に出かけています。
そのなかで穂村さんも「ディズニーランド吟行」をしたことがあると書いていたので、吟行の行き先は本当に自由なはず。私もユニバーサルスタジオジャパンに「USJ吟行」という名目で行ったことがあります。(UFJ銀行との言葉遊びです)待ち時間に短歌を詠めるので効率的!
ということで、今回は天王寺動物園にやってきました。
天王寺動物園といえば、大阪出身の人は懐かしく感じる方も多いのではないでしょうか。
大阪の小学生あるある「遠足で天王寺動物園、海遊館、下水道科学館に何回も行きがち」だからです。
関西外の人のために説明すると、天王寺動物園は通天閣やあべのハルカスの近くにあります。なので、園内から通天閣やあべのハルカスも見えるんです。
今回の行き先に動物園を選んだのは、「見るものが多い」から。
たくさんの動物はもちろんですが、注意書きや動物の紹介文など、いろんなものが短歌の題材になり得ます。
吟行の仕方は自由です。ずっと一緒に回りながら作ることもあれば、集合してから一旦解散して自由行動でそれぞれ作って、また集合して発表する場合もあり、いろんなパターンがあるようです。
今回は、
1 最初は全員でふつうに動物園をまわる
2 単独行動ができる自由時間を設け、そこで作品を完成させる
3 集合してから作品の合評
という流れにしました。
今回のメンバーですが、短歌側は私なべとびすこと、同時期に短歌を始めたかつらいすさん。かつらいすさんは俳句も少しやっていたり、川柳も少しかじってるらしいです。
俳句側は、俳句雑誌『奎』の副編集長 野住朋可さんと、同じく『奎』の挿絵を手がける木田智美さんのお二人。
そして、今回はせっかく短歌と俳句のコラボ企画ということで、作るのは短歌2首と俳句3句! 歌人も俳句を作り、俳人も短歌を作らなければいけないルールです!
※自分でこの提案をしたものの、あまりにも俳句ができず、あとから苦しむことになります。
ということで、まずは全員で動物園を楽しみます。
(ここからマジで動物園を楽しんでいるだけの記事が続きますが、どういう風にネタを集めているかの参考になれば幸いです。)