第4回は島根県松江市にある書架 青と緑さんを門脇篤史さんがレポートします。
*2024年4月時点の情報です。
島根県松江市に2023年10月にオープンした「書架 青と緑」さんを紹介します。JR松江駅から徒歩4分。住宅街のお花屋さんの2階、靴を脱いで階段を上がるとたくさんの本が待ち構えています。
新刊は歌集をはじめとした詩歌関連の本が中心。古書は幅広く取り扱いがあり、詩歌関連の本はもちろん、小説やエッセイ、映画のパンフレットや島根県に関する郷土資料まで、様々な本が陳列されています。おおっ!と言う稀覯本にも出会えるかも知れません。
民家を改装したという店内には縁側のようなスペースもあり、1階の花屋さんが提供する飲み物を飲みながらひと休みすることもできます。
店内では定期的に歌会が開かれるほか、この3月からは句会もはじまり、お伺いした日はこれから「短編小説を書いてみる会」が開かれるとのことでした。店主の日下さんは塔短歌会に所属する歌人でもありますが、短歌以外のイベントにも力が入っているように思います。
やりたいことがあったらやるスタンスです。フリーで参加できる歌会が無かったので歌会をやりたいと思いましたし、句会はある俳人の方がたまたま島根県に引っ越して来られたのでやってみることになりました。「短編小説を書いてみる会」は小説を書きたいというお客さんがいらっしゃって話の流れから開いてみることに。私が楽しくてやっていることが、誰かのためになったらいいなと思っています。
歌会や句会には初めて短歌や俳句に触れる方も来られるそう。開店して半年ですが、すでに素敵な場として松江に根付いているようです。
「島根県の作家の本はレジ前に陳列してあります」との言葉通り、島根県に所縁のある歌人の歌集が並んでいます。
素敵な雰囲気の中で珈琲を飲んでいると、あっという間に時間が経ってしまいます。山陰にお住いの方も、旅行で島根に行かれる方も、ぜひ一度訪れてみてください。
書店情報
書架 青と緑編
住所:島根県松江市大正町434-15 ランパルフェ2階
営業時間
金:18時〜23時、土:12時〜23時、日:12時〜19時
X(Twitter):@shoka_books
この文章を書いた人
門脇篤史
島根県生まれ、京都府在住。未来短歌会所属、「too late」・「西瓜」同人。
第1歌集『微風域』で日本歌人クラブ新人賞・日本一行詩大賞新人賞を受賞。
島根県の作家の棚に拙歌集を置いていただいて、とても嬉しい。
X(Twitter): @508atsu
自選短歌
廃駅になりたし日々を朽ちながら空のまどひを眺め続けむ