みなさんこんにちは。TANKANESSライター兼・見習いポケモンマスターの貝澤駿一です。
いつもは「教科書に載っている歌人の作品を読んでみよう」という記事を書いています。今回は視点をちょっと変えて、短歌で楽しく遊んでみました。
さて、2021年11月19日に発売された「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール」、みなさんはもう遊びましたか? このゲームは2006年発売の「ポケットモンスター ダイヤモンド パール(通称ダイパ)」のリメイクで、「ダイパリメイク」とも呼ばれています。
90年代前半生まれのぼくは、ダイパが発表された当時中学生。もうポケモンを卒業しないといけないという謎のプライドで、ダイパをプレイしたことがありませんでした。今回、リメイクが発売されることを知り、また個人的には前作の「ポケットモンスター ソード/シールド」で久しぶりにポケモンをプレイして楽しかったので、ついにダイパデビューしてみよう!となったのです。
そして、どうせ(?)遊ぶならTANKANESSの企画にしてみようということで、同じくダイパ初プレイの編集長・なべとびすこさんと、「短歌連作ドラフト」以来の登場となるダイパ現役世代の後輩・郡司和斗くんの三人で、「ポケモン吟行歌会」を開催してみました。
ルールは以下の通りです。
ポケモン吟行歌会
・参加者はソフトが届いた日から1週間で、最低でも最初のジムバッジを手に入れるところまでストーリーを進める(みんな社会人で、忙しい身なので……)。
・それまでに立ち寄った町や出会ったポケモン、イベントのなかから印象に残ったものを短歌にして発表する。一人三首。
・あとはふつうの歌会。お互いの短歌にコメントし合う。3人しかいないので名前もほとんど明かされた状態で話しました。
というわけで、のろのろゆっくりゲームを進めながら、3人の大きなポケモンマスターが作った短歌と歌会の様子をお届けしたいと思います。
ポケモン吟行歌会
参加者
貝澤駿一
ポケモン金銀・ルビサファ世代。そこそこポケモン好きなので、ダイパ、BW以外は大体プレイ。ただしへっぽこマスターである。
選んだポケモンはナエトル。
なべとびすこ
ポケモン赤緑世代。ミュウツーの逆襲も映画館で観た。プレイしたポケモンは赤、緑、ピカチュウ、金、クリスタル、ルビー、ハートゴールド。10年ぶりのポケモンでダイパは初プレイ。
選んだポケモンはポッチャマ。
郡司和斗
ポケモンダイパ世代。運動会のかけっこで1位になった褒美としてダイヤモンドを授与。だいたい全てのソフトプレイ済み。ポケモンカードも好きです。
選んだポケモンはヒコザル。
歌会スタート!
洞窟のなかにも届いている光まだくだけない岩があるんだ/なべとびすこ
貝:えーと、あの洞窟。何の洞窟だっけ。あのズバットしかいないところ。
郡:ズバットしかいないところ(笑)
な:最初のとこね(※注:おそらく三人が言っているのは『クロガネゲート』のこと)。
貝:あそこはいわくだきができないと通れないですもんね。何かポケモンというより髭男(Official髭男dism)みたいだなって。なかにも届いている光だから、暗いところでもいつか光が見えるってことですよね。藤原聡が書きそう。
郡:いわくだきをもらう前なので、くだけそうな予感はするんだけど、まだくだけない。でもいつかはくだける気がする。
だから、上の句で洞窟のなかに光が届いているという光景とシンクロして、現時点では鬱屈したような気分でも、未来には希望を持っている感じがする。
わかりやすくポケモンの歌なんだけど、一首で立っている歌でもある。
貝:……めっちゃちゃんと評するじゃん。
一同「(笑)」
ジムのすぐ横に大きな炭鉱が やっぱ何人か死んでんのかな/郡司和斗
な:わたしは今回ダイパ初プレイですが、クロガネシティって不思議な雰囲気ですよね。あんなに大きな炭鉱だとやっぱ何人か死んでるんじゃないかっていうのはすごく納得しました。
ポケモンって赤緑の頃からシオンタウンがあったり、今回もロストタワーがあったり、ポケモンの死については結構語られますよね。でも人間の死はポケモン界では語られない。でも確実に死んでいる人はいますよね。
巨大な炭鉱だと事故も起こりそうだし、そこから人間の死をイメージするのが面白いと思いました。
貝:場所的に(※注:ダイパの舞台であるシンオウ地方のモチーフは北海道)夕張炭鉱なのかなと思いました。ポケモンって子どもの遊ぶゲームなので、あんまり深いことは語られないんですけど、でも気を配って作られているところがありますよね。
ゲームのなかでは語られない現実世界のことに思いを馳せるっていうのは、おとなになったポケモンマスターにしかできない。
郡:おとなになったポケモンマスターにしかできない(笑) 名言が出ましたね。
貝:ポケモンが世代を超えて愛されるゆえんですよね。
郡:ダイパって結構全体の雰囲気が暗いんですよね。だから炭鉱と死とか、ダイパをやるとどうしても考えてしまうんですよ。
な:赤緑の頃ですが、シオンタウンが怖すぎて、音量をOFFにしてました。ポケモンシリーズは暗さもはらんでいるのが一種の魅力ですよね。
不安定な労働ひとつ終えたのち金曜昼に出会うフワンテ/貝澤駿一
な:フワンテってどんなやつでしたっけ……。わたしとしては、不安定とフワンテでしっかり韻を踏んでいるのがポイント高いですね。
貝:韻を踏んでいるわけではなくて、不安定なポケモンだからフワンテっていうらしいですね。
郡:元ネタなんですよね。
な:へ〜!
攻略サイトによると、<ギンガ団を倒したあとに毎週金曜日に出現するようになります>。
郡:ああ、そうだ。いま思い出した。フワンテが金曜日にしか捕まらなくて、で、小学生にとって一週間ってバカ長いじゃないですか。だからなかなか捕まえられなくて苦労しました。一週間あったら、小学生だったらゲームクリアしちゃうから。
な:実際にフワンテが金曜日に出ることと、不安定な労働を終えた金曜日っていうのをうまく重ね合わせていて、これもおとなのポケモンマスターって感じの短歌でいいですね。
郡:これは間違いなく大人の世界……しかも『不安定な労働』だから、アルバイトとか非正規雇用なのかもしれないですね。フルタイムじゃないから金曜の午後には仕事がなくて、フワンテと出会えるんですよ。あ、あと発電所で出会うっていうのもいいですよね。仕事のあとに海に行くノリで、仕事のあとに発電所に行く、みたいな。
な:ポケモン界の人間の雇用形態に思いを馳せることができますね。
チャージビーム 教えることは何もない チャージビーム 教えることしかない/郡司和斗
な:チャージビームのくだりが曖昧なんですけど……
郡:コトブキシティのトレーナーズスクールに、チャージビームを連打してくるケーシィを使うトレーナーがいるんですよ。ヒコザルとかポッチャマとか選んでいると、普通にボコボコにされるんです。
貝:ぼくはナエトルだったので余裕でした。
な:わたしポッチャマ選んだのに苦戦した覚えがないな…
貝:なんかこう……何もない歌だなって思いました。教えることしかない、教えることしかできない? チャージビームを打ってくるようなトレーナーに教えることは何もない? 〈教えることしかない〉が、微妙によくわからないな。
な:楽しいしかない=最高だ、みたいな言い回しですよね。
郡:序盤の段階でチャージビーム連打ってそれだけで完結していて最強なんですよね。
ぼくヒコザルを選んだんですけど、ヒコザルってグロウパンチ【技を出すと攻撃が一段階上がる】を途中で覚えるんですよ。そうすると、序盤ってグロウパンチを連打するだけでいいんですね。チャージビーム【技を出すと特攻が一段階上がる】も同じで、それだけやっていれば良いので特に教えることは何もないん。逆に言えば、一つのことしか今はやっていない状態だからもっと今後やれることがあるはずなんですよ。伸びしろしかないケーシィ。
あ、そうだ、『鬼滅の刃』の善逸ですよ。壱の型しか使えないけど、ある意味それで完結している。でもだからこそやれることがたくさんある。〜しかないっていうのは言い方が今風で難しいですけどね。教えることだらけだ、っていうのをちょっとねじっているんです。
な:余白があるというか、伸びしろがあるというか。
郡:この短歌自体も伸びしろがあると言えませんか?
貝:ポケモン短歌だからというわけじゃないけど、この言い回しは面白いと思う。
郡:この歌はまだまだレベル上げが必要ですね。みんなで育ててもらう感じで……。
な:今度歌会で言ってみようかな。この歌はまだレベルが上がるんで〜、って(笑)
ひかりさす朝のソノオの花畑ナエトルだったきみと歩いた/貝澤駿一
郡:光景が無難にいいですよね。ソノオの花畑って、現実に花畑だらけの町はないけれど、それがゲームの中には存在するというのが、幼いころのエモい記憶を呼び覚ますんですよ。
で、最初の三匹のうちのナエトルがいて……あ、さっき歌会が始まる前に話してたことなんですけど、やっぱ貝澤さんがナエトルを選んだことにぼくはウケてしまって(笑)
ダイパにおいてナエトルってめちゃくちゃ選ばれないポケモンなので、そのナエトルをあえて選んだ主体が裏側に見えるのがいいかなって。ここがポッチャマだったら、普通に人気なポケモン選んでんじゃねえよって思っちゃう。
な:なるほど(笑)ふつうにポッチャマ選んじゃった…かわいくて…
郡:ただ、〈ナエトルだったきみと歩いた〉ってところ。この〈きみ〉を、今はドダイトス(ナエトルの進化系)になっている、かつてナエトルだったドダイトスと歩いているのか、それとも何かナエトルが人間にでもなって歩いているみたいな、不思議な読みもできなくもない。そこがどうかなって思って。
な:私はわりと素直に、進化したという方でしか読んでいなかったです。やっぱあの花畑を歩くんだったら、三匹の中でナエトルが一番合う。くさポケモンだからきっとソーラービームとかゆくゆくは覚えるじゃないですか。そこが〈ひかりさす〉という部分と呼応する。ナエトルってたぶん「苗」からきた名前ですよね。それが後に「木々」になっていくというモチーフと、花畑の光景が合っていていいなと思いました。
貝:ポケモンの話だから〈ナエトルだった〉って色んな意味があるっていう話ですよね。
選んだポケモンがナエトルだったとも取れちゃうから、〈ナエトルだったきみ〉というのは、誰か友だちがいて、その友だちがナエトルを選んでいた、そんなきみと歩いていたとも読めてしまう。
な:あー、たしかに…
貝:あとは、あいだに休符があると〈ナエトルだった きみと歩いた〉ってなるから、きみは誰だかわからないけど、ナエトルを選んだのはぼく自身で、そんな自分が傍らにいるきみと歩いていた、という読みにもなってしまう。……まあ、そこまでは全然考えてなかったです。二秒くらいで作ったので。〈ナエトルだったきみ〉はドダイトスのことだったんですが、いかようにも読めてしまうということがわかってしまいましたね。わかってしまった上で、一番自然に読んでくださいと。
郡:そういや、短歌コンクールで〈きみ〉に色んなものを代入する手法ってよく見かけるな。
貝:じゃあもう、ルビ振っちゃおうかな(笑)
郡:ドダイトスと書いて、きみと読む。
貝:こういうテーマだったら許されるかもね。
な:でもこれは、いいと思いますよ。
貝:ナエトルを選んだことをどうしてもアピールしたかったので……
植えられたなやみのタネが取れなくてコロボーシの声すらうるさいよ/なべとびすこ
郡:なやみのタネって、ポケモンの技ですよね。特性がなくなるんでしたっけ。
貝:特性が「ふみん」になる。
郡:そうか、眠れなくなるのか。コロボーシの声って本来は聴き心地のいいものだけど、悩みのタネを受けてしまったことで、それすらうるさくて、眠れなくてっていう歌ですね。コロボーシの声を頭の中でイメージできる人は、いろいろ膨らませられるんだろうけど。
貝「ぼくはどっちかっていうとコロボーシの声はうるさいんじゃないかと思ってしまっていて……
郡「進化系のコロトックは超うるさいですよ。”キュキュキュキュキュポーイ”っていう感じで。
貝:ゲームの中のメタ的な要素だと考えた上で、実際の自分の生活に当てはめてみると、なやみのタネが取れなくて、不眠症になって、秋の夜長の虫の声までうるさく感じてしまうという歌になる。メタ要素と現実を融合させていて、それなりの技量がある。
な:コロボーシは捕まえたときの図鑑の説明で、秋の夜長の風物詩って書かれてたんですよ。ポケモンの世界に俳句があったら絶対季語やんと思いました(笑)
郡:ポケモン俳句いいですね。
な:「蝉の声をうるさく感じているようじゃ俳人としてダメ」みたいな逸話を聞いたことがある気がしたので。
つかまえるはずが殺した たいあたりして話したら何か変わった?/なべとびすこ
貝:これも現実とゲームの要素が融合したメタ的な歌ですよね。例えばつかまえるときにたいあたりじゃなくてバブルこうせんを使ったら殺しちゃって、たいあたりだったら(HPが)残ってたかな、脈アリだったかなっていうことを考えている。いまの短歌のひとつの技法だと思う。ヴァーチャルな世界を自分の現実に還元させてメタ的に歌う。なんか、バズりそうだなって思った(笑)
郡:現実と融合している歌は面白いですよね。ゲームの中の捕獲するワンシーンにも見えるし、「たいあたりして云々」って慣用句的にも使うし。
な:さっき貝澤さんが言ったとおりの光景ですね。たいあたりじゃなくてバブルこうせんにしたら洞窟でピィを殺してしまって。せっかくピィがでたのにーってなった。
郡:ピィかー。
な:思ったよりポッチャマが強くなってた。
郡:殺してはないんですけどね。「ひんし」になるだけだから。
な:野生のポケモンは殺してるんじゃないかなって思ってますよ。ひんしのままポケモンセンターに行くわけでもないし、自分のせいで死んだやせいのポケモンは絶対にいるはず……
郡:こんなところでも大人のポケモンマスターの裏事情が……
炭鉱のある町に来てワンリキーとして働きたるらし祖父は/貝澤駿一
な:働きたるらし……現代語で言ったら、どうなるんでしたっけ。
郡:働いているらしい、働いているに違いないみたいな感じですね。
な:ワンリキーはクロガネたんこうで働かされているんですよね。
郡:ポケモン労働。
な:でもあそこは人間も働いているじゃないですか。ワンリキーも働いていて人間も働いてる。おじいさんも炭鉱のある町で、ワンリキーのように働いているってこと?
郡:字面通りにとったら怖すぎませんか(笑)。ワンリキーじゃないから、祖父は。
な:お前もワンリキーのようにひたすら働け!みたいな。
郡:詠んでいる主体がワンリキーだったら、進化しないまま祖父になったワンリキーが炭鉱で働いているみたいな感じに読めるけど……。永遠にワンリキーとして働いている祖父を、ワンリキーである自分も詠んでいる。そうすると意味のつじつまは合ってくるけど、でも主体がワンリキーなわけがないから(そうとも言えないか……)、そうするとワンリキーではない人間の祖父がワンリキーとして働いているらしいっていうヤバい歌になる。
な:主体がワンリキーである可能性は考えてなかった。
郡:祖父っていうのも怖いなあ。父じゃないんだよね。祖父ですらも労働力として駆り出される悲しみも含まれているのかな。あと祖父に対してゴーリキーとかカイリキーじゃなくてワンリキーなのかよ、イメージの取り合わせちぐはぐだなあっていう変な面白さ。
な:もしかしたら祖父がワンリキーだったころ、というか若かったころ炭鉱に来て働いていたんだよっていう話の可能性もありますね。
郡:だったら〈けり〉とか使ってほしかったですね。
な:読みが分かれる歌になっちゃった。
郡:でも〈ナエトルだった〉の歌もそうですけど、人間とポケモンの存在が等価に置かれている感じが面白いですね。
貝:若いころの祖父がワンリキーのように炭鉱で働いていたという歌のつもりだったんですけど、わざと現在形にすると臨場感が出るかなって思った。おじいちゃんが昔の話をしているけどいま働いているように聞こえるっている臨場感を出そうとしたんですけど、これは四句目がダメですね(笑)
な:この短歌もレベル上げをしましょう!
え……ミュウ……ジラーチ……って……おじさんとおばさんと花畑の朝に/郡司和斗
な:ジラーチのくだりを全く覚えてないんですけど、ジラーチもミュウみたいな伝説のポケモンでしたっけ。これもソノオタウンですか。
貝:ソノオタウンに雑なモブのおじさんとおばさんがいて、その雑なモブからミュウとジラーチがもらえるっていうイベントが雑に置かれているんですよ。二十ウン年生きてきてはじめてのミュウですよ。ジラーチもはじめて。ぼくどっちかって言うとジラーチ世代で、そのとき小6くらいだったかな。
な:ルビサファ(ポケットモンスター ルビー/サファイア)ですか。
貝:そう。たぶんぼくが一番しっかり遊んだポケモンがルビサファなので。そのときあんなに手に入れるのが大変だったジラーチが、雑なおじさんとおばさんから手渡されるからちょっと面食らうっていうのがあるんですよ。ネタ短歌ですよね、これは。ふつうにツイッターで検索したりするとおもしろツイートみたいな感じで流れてくるというか。
な:これ、音はどうなってるんですか。
貝:音は……ぶっちゃけどうでもいいけど、〈おじさんとおばさんの花畑の朝に〉は、絶妙に定形で読めるんですよね。
な:おじさんとからが三句目?
貝:おじさんとおばさんの/花畑の朝に」で10音・9音ですね。河野裕子の<逆立ちしておまへがおれを眺めてたたつた一度きりのあの夏のこと>と同じなんですよ。
(※注:「同じ」と発言していましたが正しくは河野さんの歌の下句は9音・8音でした)
な:そうすると、〈え……ミュウ……ジラーチ……〉のところは、めいいっぱい上の句ってことですよね。
貝:休符を入れると、575ではないんですけど、5拍・7拍・5拍みたいな。
な:〈…〉を1音と数えるときっちり17音ですね。
貝:ちゃんと計算してるんだ。
郡:ポケモンの世界において突然やってきてプレゼントをくれる来訪者っているじゃないですか。従来のポケモンだったら、配達員からミュウを受け取った、みたいな。いやなんやねんそれってなりますよね。
今回は、過去作のセーブデータを持っている人にミュウとジラーチがプレゼントされるわけですけど、ポケモンの世界に突然やってくる謎のメタ要素の面白さと、それに戸惑っている感じを出したかった。最後は花畑を雑に置きました(笑)
ポケモン歌会を終えて
な:9首中、2首花畑で、2首炭鉱でしたね。郡司さんと貝澤さんは、ちょくちょく被ってる。
貝:見るポイントが似てるってのはありますね。あとはぶっちゃけ、もっと最初の方で感動する場面とかあったと思うんですけど、熱中しすぎて歌を作ることをすっかり忘れていて……。正気に戻ったのが炭鉱のあたりだったので。
な:わたしは最初コイキングの短歌とか三首くらい作ったんですけど、せっかくならダイパ要素を入れようと思いました。コロボーシとかなやみのタネとか、知らなかったのでこれは入れたいなと。炭鉱の歌は詠みたかったですけどね。
郡:炭鉱はネタの宝庫ですよね。
貝:そもそもぼくは炭鉱が好きだから。
な:『リトル・ダンサー』の感じで詠むのかなあって思いましたよ。あの映画も炭鉱が舞台ですし。(※注:ライター貝澤の世界で一番好きな映画『リトル・ダンサー』で短歌を詠んでもらった記事はこちら)
貝:でもまあ、不思議と繋がらなかったですね。メタにメタを重ねる形になってしまう。
な:どこまで現実と重ねるかは難しいですよね。わたしだったらポケモン赤緑で50首くらい詠んでみたいかも。
貝:ドラクエとか。
郡:ドラクエは面白いですね。やっぱ入り込みやすいですよね。
貝:ナエトルは喋らないけど、キーファは喋るから、そこで主人公とキーファの歌ができますね。
郡:キーファとの相聞歌が。
貝:相聞歌……じゃないけど、ドラクエ7の主人公とキーファの関係は、『スタンド・バイ・ミー』の主人公のゴーディとクリスと同じなので(※注:持論です)。
な:なるほど。ドラクエあんまり知らないけど楽しそうですね。
………
というわけで、最後はなぜかドラクエの話になっていましたが、およそ1時間30分に及ぶ、楽しすぎるダイパ歌会の様子をダイジェストでお届けしました!
ぼく自身は、これからもへっぽこポケモンマスター歌人として精進していきたいと思います。ちなみにこれを書いている時点でやりはじめてから3週間くらい経っていますが、まだキッサキジムをクリアしていません!(この記事が出るころには、殿堂入りできているようにがんばります)
それでは、最後まで読んでいただいた皆さん、今回も本当にありがとうございました。
この記事を書いた人
貝澤駿一
1992年横浜市生まれ。「かりん」「gekoの会」所属。2010年第5回全国高校生短歌大会(短歌甲子園)出場。2015年、2016年NHK全国短歌大会近藤芳美賞選者賞(馬場あき子選)。2019年第39回かりん賞受賞。
Twitter@y_xy11
note:https://note.com/yushun0905
自選短歌
まっさらなノート ピリオド そこにいるすべての走り出さないメロス
参加した人
なべとびすこ(鍋ラボ)
TANKANESS編集長兼ライター。短歌カードゲーム「ミソヒトサジ<定食>」「57577 ゴーシチゴーシチシチ(幻冬舎)」、私家版歌集『クランクアップ』発売中。
Twitter @nabelab00
note https://note.mu/nabetobisco
通販 鍋ラボ公式通販
自選短歌
ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる町 でもふるさとを他に知らない
郡司和斗
1998年茨城県生まれ。元二松学舎大学松風短詩会会員。歌誌「かりん」、俳誌「蒼海」所属。読書ブログ「詩歌の焚火」。第62回短歌研究新人賞、第39回かりん賞受賞。大学院では不登校研究。
Twitter:@gun_ji_wowowo
ブログ:遠い感日記
自選短歌
片思いのままいくつかの片思い 冬の桜の木をかいでいる