ラーメン二郎インスパイア系ラーメンにインスパイアされて短歌を作る

企画

「二郎系ラーメン」というジャンルは近年、もの凄い勢いで市民権を得てきたように思える。
極太麺・大量の野菜・そして大ぶりのチャーシュー…ラーメン二郎には夢とロマンが詰まっている。

中山

▲ラーメン二郎中山駅前店。食べログ百名店に選ばれるほど人気。

小さい子どもが大切なものを詰めこんだ宝箱を開けるように、二郎系ラーメンが自分の前に提供されると心の中で「うわぁ~」と喜びの声を漏らしてしまう。
うれしいとき、かなしいとき…様々な感情をその大きな器で包み込んでくれる。僕は二郎系ラーメンから喜びと癒しをもらった。

そうだ、ラーメン二郎で短歌を詠もう。前回、僕は好きな漫才を短歌にした。
短歌を詠むのは人生で2回目。まだまだ初心者であるが、好きなものからインスパイアされて日々の思いへ繋げていく手法はとても作りやすかった。
インスパイア…?そうか!ラーメン二郎にもインスパイア系とよばれるお店がいくつも存在している。
今回はラーメン二郎インスパイア系のお店(ここでは二郎系ラーメンでありながらラーメン二郎と名乗っていないお店を指すこととします)の旨いラーメンを食べてインスパイアされた短歌を詠んでいきたい。
美味しそうな写真がたくさん出てくるので、お腹を空かせてこの記事を見てほしい。

電気とデニム

常識という国道で短歌を詠みながら非常識というダートを目指す。
無駄とくだらないが好物。無駄なことをする時間を捻出するために、時短家電をたくさん買いたい。

Twitter @denkitodenimu

自選短歌

ラグビー部知らない人の思い出がなんでこんなに懐かしいのか

 

この記事の流れ

 

お気に入りヤサイカラメとあとアブラ走った時はアブラマシマシ/電気とデニム

*以下、全て電気とデニムの短歌です。

僕の二郎での秘密の呪文を短歌形式で詠んだところで記事の流れを説明させていただきたい。
今回は二郎系ラーメン店5店を紹介しつつ、1店舗ずつラーメンを食べて思ったことを詠んでいきたい。
また、ラーメン二郎を知らない人にもこんなお店なんだ~と理解してもらえるよう専門用語を僕なりに解説していく一口メモもつけていく。

 

~ラーメン二郎一口メモ①~ 秘密の呪文とは?

野菜やニンニク、背脂やタレ(醤油)の量を伝えるためのコールのこと。
お店の人からの「ニンニク入れますか?」の声掛けの後に自身の希望を伝える。
ちなみに僕の先ほどの呪文は野菜と醤油ダレ多め、背脂トッピングのこと。マシマシは多めより更に追加することを指す。
最初は緊張するが、慣れてくると自分のベスト呪文が分かってくるはずだ。

 

1店舗目 神の豚に酔いしれてほしい… ハイパーファットン

 

ハイパー

▲この旨そうな豚を見て!

 

ラーメンの魅力

ハイパーファットンはとにかく豚が旨い。
二郎系ラーメンのお店では分厚く切られたチャーシューを豚と呼ぶ。
更にその中でも口の中でホロりととろける、肉と脂身の割合が絶妙な豚には敬意を評し神豚(かみぶた)として崇め奉るのだ。

 

ハイパーファットンはド乳化のまろやかスープに神豚が入ったたまらない一杯となっている。

~ラーメン二郎一口メモ②~ 乳化・非乳化とは?

二郎系ラーメンのスープを評する際、乳化・非乳化という言葉が使われる。
乳化とは水と油分が混ざり合い、白濁した状態。
僕なりの解釈では以下の通り。
乳化=豚の脂の甘みや旨みがスープにしみ込み、全体的に味がまろやか
非乳化=醤油ダレの味がしっかり残るキリッとした味わい
どちらが旨いは完全に好みの問題。ドラクエ5のビアンカとフローラのようなものだ。

 

ラーメンを食べて浮かんだ短歌のイメージ

神豚というフレーズから神について考えてみる。
初詣など神さまに挨拶をするタイミングがある時は僕は基本お願いをしない。「~〜を頑張りたい」と3つほど具体的な目標を掲げ伝えている。

これは「周りみんながお願いしている中で自身の力で頑張りたいという僕…どうですか?ちょっと力になりたいと思いませんか?いえいえ、気になさらず…僕なんて最後で構いませんので。」
と謙虚の裏で差別化を図りながら神さまの目にとまって願いを叶えてほしいというなんとも傲慢でみみっちい僕の作戦なのだ。

短歌

 

パンパンとお願いでなく宣言を謙虚なふりで神の目を引く

 

2店舗目 限定の独創性と旨さ! 豚星

 

豚星

▲昨年夏の限定「昆布水つけ麺」

 

ラーメンの魅力

豚星の魅力は限定メニューの独創性とその美味しさにある(もちろん通常メニューも旨い)。
写真の昆布水つけ麺も限定なのだが、昆布水が濃厚でつけ汁につけずとも十分に満足できる。これがつけ汁に絡めても旨いのだから一度で二度楽しめる素晴らしい一杯になっている。

豚星麺

▲すすった瞬間に僕は二郎系ラーメンの麺が好きなのだと再確認できた

ラーメンを食べて浮かんだ短歌のイメージ

期間限定メニューや大盛り無料…僕は30を過ぎたのに、これら2つの謳い文句を見ると脳で考えるより先に指が限定メニューの発券ボタンを押していたり声帯が「ぜひお願いします!」と発していたりするのだ。特に大盛り無料は毎度反省している。
最近は胃も少しずつ小さくなり、大盛りじゃなくても満足できる。その証拠に途中で苦しくなり後悔することもしばしば。
ラーメン二郎はその典型だ。豚増しにしなくて良かったな、野菜は通常の量で十分だ…退店するときはそう思うのに、次のタイミングでは完全に記憶がリセットされている。

短歌

 

限定や大盛り無料きけんだぜ脳より身体が「ぜひ」と言うんだ

 

3店舗目 超極太を体感してほしい! 蓮爾(はすみ)

 

はすみ-tile

▲大量の野菜の下に極太麺…持ち上げると、こんなに太い

 

ラーメンの魅力

蓮爾(はすみ)の魅力は二郎系ラーメンの中でも1、2を争うくらいの麺の太さ。この超極太で固くごわごわした麺は好みが分かれると思うが、僕は大好きだ。「今この瞬間、僕は麺を喰らいこの地球に生きているんだ!!!」と強く実感することができる。

ラーメンを食べて浮かんだ短歌のイメージ

僕は北陸の田舎出身なのだが、冬は1メートルほど雪が積もる。
そりゃあ寒いってもんじゃない。指先の感覚が徐々に無くなるのも辛いが耳がちぎれるほど寒いのだ。
そんな夜にごわごわとした固い布団を自分の身体に巻き付け、冷たい布団が体温でじわーっと温まっていく感覚が好きだった。

短歌

 

雪の日にごわごわ布団をかかえこみ次第にぬくもる自分湯たんぽ

 

4店舗目 丁寧で完成度の高い変わり種 泪橋

 

泪橋

▲大量のかつお節や炙りチャーシューなど二郎系ラーメンっぽくない

ラーメンの魅力

かつお節と炙りチャーシューのビジュアルは二郎系の中では一線を画している。
二郎系ラーメンらしくないと言う人も多いだろうが、ここのラーメンはかつおの出汁が効いていてスープがめちゃくちゃ美味しい!丁寧で完成度が高い一杯を楽しめる。

ラーメンを食べて浮かんだ短歌のイメージ

そのジャンルが好きな人ほど亜流なもの、メインストリームから外れたものに対して「こんなの○○じゃない!」と否定的にコメントしてしまうこともあるだろう。
その気持ちは痛いほど分かる…分かるけど、その否定的コメントで閉じていく可能性があるはずだ。
決して好きにならなくてもいい。
ただ、大きな山の裾野の部分として迎えることで自分自身にもたくさんのプラスがあるはずだ。

短歌

 

「らしくない」その言葉から閉じていく言いたくないな裾野にしたい

 

5店舗目 二郎系ラーメンを食べてみたい人におススメ らーめん陸

 

陸

▲クタっとした野菜に分厚いチャーシュー…あぁ毎日でも食べたい

ラーメンの魅力

らーめん陸はまず盛り付けが綺麗!それでいてくせがなく、食べやすい。
茹でてクタクタになったキャベツや神豚の呼び声高いチャーシュー…どれを取ってもハズレがない。
二郎系ラーメン食べてみたいけど、おススメある?と初めて食べる人から聞かれたら僕は迷わず陸と答えるだろう。

ラーメンを食べて浮かんだ短歌のイメージ

万人受けする、くせがないって僕もすぐ人におススメするときに言ってしまうけど、少しモヤモヤしてしまう。これは褒め言葉になっているのかな…?と。
万人受けの万人って誰のことだ?結局店長だって誰かこのラーメンが刺さってほしいと思って作っているはずだ。万人っていう数が多いけど実態を伴っていない蜃気楼のようなものではなく目に見える1人。
そいつに刺さってほしいと作ってるんじゃないかな。
爆笑問題の太田さんの発言が僕は凄く好きだ。
『「みんなが」ってのが大嫌い。「みんな」ってどこにいるんだよ。連れて来いよ、その「みんな」を。』

短歌

 

当人は「万人受け」と思わない刺され刺されと1人を浮かべて

 

迷わずに行けばわかるさこの味がいくぞ1・2・郎ダァいはだめ

 
今回5つの二郎系ラーメンを紹介させてもらったが、1人でも行ってみようかなと思ってくれたらうれしい。猪木さんが言うようにこのラーメンが多くの人を虜にしている理由が行けばわかる。
紹介できなかったが旨い二郎系ラーメンのお店は星の数ほどある。
「用心棒」のまぜそばや「千里眼」の冷やし中華…僕の人生を彩るのに欠かせないものだ。
 
用心棒・千里眼

▲左が用心棒、右が千里眼。どちらもたまらない

ただし、初めて行く人は麺の量をいきなり大にしてはいけない。
どんなに胃袋に自信があってもまずは小ラーメンから(小と名前がつくが普通のラーメン屋さんの2倍以上の麺量)食べてほしい。

それではどこかのラーメン二郎で。

 

この記事を書いた人

電気とデニム

常識という国道で短歌を詠みながら非常識というダートを目指す。
無駄とくだらないが好物。無駄なことをする時間を捻出するために、時短家電をたくさん買いたい。

Twitter @denkitodenimu

自選短歌

ラグビー部知らない人の思い出がなんでこんなに懐かしいのか

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