短歌ワークショップのネタ帳<1>

コラム

TANKANESS編集長のなべとびすこです。

私は今年の9月から3ヶ月、「ワークショップデザイナー」の勉強をしていました。

ほぼ毎週東京で、ワークショップの企画、運営、ファシリテーションなどについて学んできました。

それ以前も、短歌ワークショップを自分で行うこともあれば、短歌ワークショップに参加することもありました。

ずっと手探りでやっていたけど、もっと短歌ワークショップを良いものにしたい!と思ったのが学びに行くきっかけでした。

まだ授業を今月修了したばかりですが、

  • 短歌ワークショップ、やりたいけど何をすればいいんだろう?
  • 短歌ワークショップ、ほかの人は何をしているんだろう?

という方の参考になるよう、今後も少しずつ私の短歌ワークショップのネタを出していければと思います。

※私がここで公表するワークショップのネタに関しては、真似したり、一部を参考にして改変して使っていただいてかまいません。
 他の方のワークショップを参考にする場合は、必ず主催の方に許可をいただいてください

短歌ワークショップの目的を考える

ネタ帳に入る前に、まず「短歌ワークショップ」をやる目的を決めましょう。

最初の頃は私も、「短歌の面白さを知ってほしいから!」というだけで突っ走っていました。初期衝動というやつです。
それももちろん大事ですが、ワークショップをやるうえで目的は重要です。

「短歌の面白さ」と言っても、大きくわけて

詠む(make)」という表現の楽しさと、
読む(read)」という読解の楽しさ があります。

さらに、「文化」としての短歌に触れてもらう、というのも1つのポイントでしょう。

レベル感としても、

短歌を全く知らない方に短歌に触れてもらうのか、
短歌をちょっと知っている方に短歌を作ってもらうのか、
ある程度短歌を知っている方に上達してもらうのかなどによって、いろいろ変わります。

どんな相手を対象に、短歌のどの部分に焦点を当てた内容にするかは、最終目的から逆算していったほうがスムーズです。

さらに、短歌を詠む/読むことが最終目的ではなく、短歌を詠む/読むことで、別のことを学んでもらうというワークショップもあります。

過去に私が行ったワークショップの依頼はこんな内容でした。自分で好きなように開催してきた頃とは、対象も目的も異なります。

  • 留学生日本文化を知ってもらうために、短歌を取り入れたい
  • 引きこもりや不登校の方「表現」について知ってもらうために、短歌を取り入れたい
  • 求職者の方に自分のエピソードの棚卸しに役立つ短歌の使い方を教えてほしい
  • お店に新しい人を呼ぶために、短歌のワークショップを開催したい
  • 常連客同士の交流に短歌を使いたい

私は短歌そのものを学ぶよりも、こういった別の目的があるワークショップに力を入れています。それは、私が基本的に「短歌を全く知らない人に知ってもらう」ことを重要視しているからです。
短歌に興味ない人に「短歌ワークショップ」を呼びかけてもたぶん来ないけど、別の目的のためのワークショップなら来る可能性があるからです。

これからワークショップをしたい方は、自分がワークショップをやる目的や理由を一度考えて、そこから内容を逆算してみても良いかもしれません。

短歌ワークショップネタ帳 ♯1 拍手で音数を数えるワーク

対象:小学生くらい(海外の方も可)
目的:短歌の音の数え方を理解してもらう
時間:5〜10分くらい

短歌は5・7・5・7・7のリズムを基本とした詩で、季語もないから簡単ですよ〜」と言うだけで理解してもらえる方には、このワークは必要ありません。とばして本題に入りましょう。

小学生や留学生の場合、この基本事項をもう少し詳しく伝える必要があります。

短歌は三十一文字(みそひともじ)とも呼ばれていて、5・7・5・7・7の合計31文字、と言っていますが、31文字というよりは「31音」です。

日本語はほとんど1文字=1音なんですが、下記のような例外もあります。

  • 「ちゃ」「ちゅ」「ちょ」などは2文字だけど1音、
  • 「っ」は発音しないけど1音、
  • 「ー」も1音

まだ短歌を授業で学んでいない子どもや、母音の概念が異なる海外の方が対象のときは、「短歌は5・7・5・7・7です!」と言うだけでなく、この部分をていねいに伝えておきたいですね。

ということで、このワークをご紹介します。
子どもがノッてくるといい感じになりますが、そこそこ年齢の高い留学生向けの場合は、ワークは簡略化して、音数の数え方がわかるようにだけしてあげてください。

やることは簡単なので、一般的に「アイスブレイク」と呼ばれる、導入部分で使うのがおすすめです。

アイスブレイクを入れる理由
知らない人同士で行われるワークショップでは緊張される方も多いです。まずは、場に慣れてもらうことや、場をあたためる際に使います。

ルール
  1. 司会が言う言葉の音数に合わせて拍手させる
  2. ある程度慣れたら、拍手のあとに音数を答えさせる
  3. 「好きな食べ物は?」「もっと長い音数の言葉知ってる?」のようにいろいろ質問を投げかけ、参加者からいろんな言葉を拾って②を繰り返す

ルールとしては本当にこれだけです。いくつか注意点があります。

1.の時点の詳しい流れと注意点

  • 最初は「ゴリラ」「トナカイ」「オムライス」など、「ー」、「っ」、「ちゃ・ちゅ・ちょ」などの拗音など、ややこしいものが入っていないものからはじめましょう
    司会「ゴリラ」→全員:パン・パン・パン と拍手するような感じです。
  • そのあと、「ー」、「っ」、拗音の言葉などが入っている言葉を投げかけて、その都度数え方のルールを説明します。
  • 最初は司会が単語を言うときに前で一緒に拍手をしてあげてください。そのリズムをある程度覚えたら、参加者に考えさせる感じで司会は拍手をやめると良いかもしれません。

2.の時点の詳しい流れ
 拍手に慣れたら音数を数えていきます。

  • 「ゴリラ」→パン・パン・パン と拍手しながら声に出して「1・2・3」みたいに数えてもらいます。

3.の時点の詳しい流れと注意点
 みんなルールを覚えてからは、子どもからお題の言葉をもらうようにします。

  • いきなり「好きな言葉」というような曖昧な質問をするより、
    「好きな食べ物は?」とか「好きな教科は?」のように、具体的な質問から入ると答えてもらいやすいかもしれません。
  • 慣れると「もっと長い音数の言葉知ってる?」と言って、どんどん長い言葉を数えましょう。
    (この前は「ドライブレコーダー」という言葉が出ました。)
  • ここで面白い言葉が出たらどんどん褒めてあげると良いと思います。

*この前はやらなかったんですが、言葉を数えた後、5音と7音のときだけ両手を上げさせるなど、5音と7音の言葉に特別なルールを入れてもいいかもしれません。どんどんアレンジしてください。

短歌ワークショップネタ帳 ♯2 簡易版ミソヒトサジ

対象:小学校低学年くらい(時間がないときも可)
目的:言葉を組み合わせる面白さを伝える
時間:15分〜20分
準備物:「短歌カードゲーム ミソヒトサジ」、名刺サイズの白いカードと青いペン・赤いペン

私は短歌カードゲーム ミソヒトサジ<定食>を制作しています。自分の宣伝みたいになって申し訳ないんですが、簡単にワークショップをやるには持っていても良いゲームだと思います。

このゲームの遊び方のひとつ「うたいちもんめ」を普通に遊んで、「言葉を組み合わせる面白さを伝える」こともあります。
複雑なルールが理解しづらい方が対象のときや、このワークに割ける時間がないときは簡単にするのがおすすめです。

*通常ルールの遊び方は杉田抱僕さんのこちらの記事をご覧ください。

ルール
  1. 1人1枚白いカードを渡す
  2. 青か赤、好きな色を選ばせる
  3. その色のペンを渡す
  4. 青を選んだ人は5音、赤を選んだ方は7音の言葉をカードに書いてもらう
  5. 4〜8人の班に1つ、ミソヒトサジの青カード(人数×4枚くらい)、赤カード(人数×6枚くらい)配り、オモテにして並べる
  6. ③で書かせた自分のカードに、好きなカードを4枚足して、青・赤・青・赤・赤(5・7・5・7・7)を作ってもらう
  7. できた短歌を発表してもらう(良いところはどんどん褒めてあげてください)

自分の言葉を1枚入れさせる縛りで、自分の個性を作品に活かす経験ができます。

7音のカードは1単語では難しいので、困っている子が入れば、とにかくどんどん言葉を出してもらいましょう。

4音なら「赤い◯◯◯◯」のような色+名詞にしたり、5音なら「◯◯◯◯◯とか」みたいにしようか、とか前後に言葉をつけても良いということを説明してください。

子ども相手だと、好きなゲームやアニメ、興味のあること(好きな子の名前を書こうとした子もいました)も書いてくれたりするので、好きなことについて教えてもらうなど、コミュニケーションもはかれます。

まとめ

今回は子ども向けの簡易ワークショップを2つご紹介しました。もっとがっつり時間を使って創作のワークショップをすることもあるので、今後も徐々に紹介していきます。

この記事を書いた人

なべとびすこ(鍋ラボ)

「やってみたいを、やってみよう」を合言葉に、なんでもやっている歌人です。短歌のワークショップをやったりボードゲームを作ったりしながら、よくカラオケに行っています。

Twitter @nabelab00

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