アートに触れて吟行しよう!~ゆるゆる吟行録 2019~

レポート

連作

みなさん、こんにちは!かつらいすと申します。

先日、短歌のメンバー4人で吟行をしてきました。

今日は、そのときの吟行の様子をレポートいたします!

吟行とは、ざっくり言うと、散策しながら短歌(や俳句や詩)をつくったり、短歌(や俳句や詩)の題材を探すためにどこかへ出かけたりすることです。

「吟行って、具体的にどんなことをするの?」という方や「吟行に興味がある、やってみたい」という方、それから今回はアートイベントに出かけて短歌をつくったので、アートに興味がある方にも読んでいただけると嬉しいです。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019へ

吟行の舞台は、アートイベントを開催していた六甲山です。(アート作品の展示期間は2019/9/13~11/24でした)

六甲山の紅葉

六甲山の紅葉。吟行日和でした! (撮影:南極帰一)

兵庫県の六甲山では、2010年から毎年秋に「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」という民間企業主催のアートイベントが開催されています。「芸術」というと、むずかしいように感じますが、このイベントの良いところは誰でも気軽に現代アートに触れ合うことができるところです。

(下記は「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」のパンフレットからの抜粋です)

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」は六甲山上を舞台に展示される数々のアート作品を、ピクニック気分で周遊しながら楽しめる現代アートの展覧会です。

パンフレットの真ん中にはカラフルなモニュメントがどーんと載っていて、「歩く、出会う、刺激をうける。」というキャッチコピーが書いてありました。わくわくした気持ちを胸に、いざ吟行へ向かいます。

六甲ミーツ・アート 2019 パンフレット

今回行ったアートイベントのパンフレットです。右は当日チケット。

ゆるゆる吟行

今回の吟行では、1人2~3首の短歌を詠み、最後に作者名を伏せて短歌を発表して感想を述べあいました。

吟行とはいえ、気分は普通に遊びにいくときとほぼ同じです。登れる展示に登ってわいわいしたり、途中、おいしい匂いに誘われて山の中のレストランでランチをしたり、アート作品や紅葉の写真を撮ったりして、大いに楽しみました。

現代アート➀

葭村太一「錦鯉ヘッド」 今回の吟行で最初に出会ったアート。

「錦鯉ヘッド」裏側

葭村太一「錦鯉ヘッド」 裏側。ハシゴがついていて、登れるようになっていました。

現代アートに触れる

展示されていた作品は、空間の使い方や表現方法がさまざまで、作品によっては見るだけでなく、さきほどの写真の「錦鯉ヘッド」(製作者:葭村太一)のように中に入ったり登ったりすることができたり、香りを楽しんだり、音が鳴ったりするものもありました。

ひとつひとつの展示が印象的で、ネームプレートの説明を読みながら、これは一体どういう意味なんだろう、と考える時間も楽しかったです。

アート作品

栗真由美「builds crowd AMAGASAKI」 幻想的なランタンはよく見ると商店街…! (撮影:特上あいう)

展示アート

榎忠「End Tab」/安藤忠雄 設計「風の教会」 音が綺麗に反響するコンクリートの教会 (撮影:特上あいう)

山を登っていくと、突如現れたショーケース。中には競馬のハズレ馬券が札束のように積まれていました。隣に展示されていたQRコードを読み取ると、「ハズレ馬券と舟券と車券で買える土地の面積」が表示されるようになっており、「対価」を表現した作品とのことです。おもしろい…!!

展示アート

前田真治 / GERMAN SUPLEX AIRLINES 「cashless」  山の中にハズレ馬券が積まれていました。

植物園や、芝生広場など、屋外のさまざまな場所にアート作品が展示されていて、道中にこんな素敵なシーンもありました。これも、アートのひとつに違いありません。

キャッチボール

アート感あふれるキャッチボールのワンシーン (撮影:南極帰一)

バスの待ち時間で短歌を仕上げる

アートを満喫していると、あっという間に時間がたち、最後は最終目的地に向かうバスの待ち時間で、短歌を仕上げました。今回はずっと4人で行動していたので、1人でゆっくり短歌を考える時間はなかったのですが、バスやレストランの待ち時間を使って各自2~3首をつくることができました!

短歌の発表は、屋外のベンチで行いました。短冊に一首ずつ短歌を書いて、作者がわからないようにして読んでいきます。同じアートを見て共感する部分もあれば、それぞれ違う見方をしている部分もありました。

自分ひとりでは気づけなかった視点に出会えることも、複数のメンバーで吟行するおもしろさだと思います。

最後に ~吟行のきっかけ~

きっかけは「アポロ短歌堂」の冊子Apollo 31の、とあるページでした。『Apollo 31』とは、「平成」に続く新元号が「令和」ではなく「短歌」となったパラレルワールドでもしも発行されるなら、という着想でつくられた冊子です。

そのなかに、短歌元年(つまり、令和元年のパラレルワールド)に暮らす架空の女の子の一週間が描かれたページがありました。

「Apollo 31」より

アポロ短歌堂『Apollo 31』より

おっ!これは、架空の話やけど、実現できるやん。と思い、twitterで呼びかけたところ、3人の短歌な仲間たち、特上あいうさん、南極帰一さん、なべとびすこさんが一緒に行ってくれることになったというわけです。(3人の短歌な仲間たち、ありがとうございました!)

冊子を再現する写真もばっちり撮れました!

最後までレポートをお読みいただき、ありがとうございました。興味を持たれた方はぜひ、いろんなところへ吟行に出かけてみてください!きっと、楽しい発見があるはずです。

◇ ◇ ◇

吟行当日は2~3首の発表でしたが、せっかくなのでもっと作りたい!ということで、後日、それぞれ5首の連作にまとめました。(この記事の冒頭の画像が、その連作です。)

下記にも、同じものを再掲しますので、アート作品の写真と合わせて楽しんでいただけると幸いです。

 

「六甲山へ行きました」 特上あいう

ガサガサと落ち葉ふみふみこの先に鼻であじわう美術あります

晴天の梯子の下で木が香り鯉の口から出てきて人魚

めちゃ長い高嶺の花の名前には小さな花の優雅さがある

ぶら下がる遠い異国のアマガサキひとつひとつにあかりをともし

青色の切符を持って巡礼を風が通った荒地の教会

 

「祈りの帰路」 南極帰一       

順番に生け贄ごっこ鯉さまは画面の中で伝承になる

吊るされた店々の灯が消えぬようでもコケるかなちょんとつついた

頂でハズレ馬券を申し訳ていどに除湿するシリカゲル

降りてゆく瓦礫の丘を洗う風祈りの帰路は蛍光ピンク

球、ふわと、送、捕、そう、ほと野のすみの二人の展示名を決めよう

 

「風と歩く」 なべとびすこ

17℃・快晴・明日も面接で、試されるなら風がよかった

凸凹のある道だからカニ歩きして進んでく前は見れずに

俳優が描いた絵を見る僕だって履きたいわらじが何足もある

コンクリート打ちっぱなし声ひびきあう、祈りは風を孕んで上へ

秋色の靴にしたから大丈夫、僕にもちゃんと紅葉がくる

 

「ミラーワード」 かつらいす

意味ばかり探しているの脚注を集めるように歩く坂道

鯉の口から出てくる女ひとりずつ写真を撮って撮られて帰る

見えるもの見てきたものを照らすのはかつて人間だった太陽

居眠りのプログラミングを受け入れてピエロの握るペンのリズムよ

うら表うら裏おもて夢うつつ裏六甲をバスに揺られて

 

この記事を書いた人

 

かつらいす

なべとびすこさん主催の「短歌ど素人の会」をきっかけに、2014年から短歌をつくり始めました。知れば知るほど広がってゆく大きな海のような短歌の世界を、これからもゆるゆると旅していきたいです。

Twitter @v_vTitiu

note https://note.mu/v_vtitiu

自選短歌

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ゲスト

 

南極帰一

短歌、音楽、写真、観劇、すきなことを少しずつ続けていきたいです。

Twitter @nanpensky

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美容師の手から離れた次の日の前髪はわたしに懐かない

特上あいう

2019年5月に唐突に短歌を始めました。歌って踊って絵を描いて。タロット占いがわりと当たります。

Twitter @SF_nek0

自選短歌

「当店は本日で閉店します」 ポポーポポポポ ポポーポポポポ

なべとびすこ(鍋ラボ)

「やってみたいを、やってみよう」を合言葉に、なんでもやっている歌人です。短歌のワークショップをやったりボードゲームを作ったりしながら、よくカラオケに行っています。

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