企画概要
今回は、「歌人の人生で一番の映画を互いに鑑賞し、インスパイア短歌を作る」という企画です。
・それぞれの歌人が「人生で一番の映画」のタイトルとレコメンドコメントを提出
・シャッフルして、それぞれの歌人が当たった映画を鑑賞
→映画の感想と、映画にインスパイアされた短歌を5首の連作にして提出
という流れです。
*「インスパイア」の内容は「映画の感想、登場人物の気持ちになる、モチーフを取り入れるなどは自由」というルールです。
前回の記事はこちら→歌人のオススメ映画シャッフル企画 ♯01
今回は8名の方が参加し、互いのオススメ映画を鑑賞して短歌を作りましたので、順番に紹介していきます!
歌人のオススメ映画3:道
オススメする人:あひるだんさーさん→オススメされる人:貝澤駿一さん
あひるだんさー
あひるだんさー、またの名を田中翠香。歌壇賞候補作「北極星」短歌研究新人賞候補作「雲の対義語」
Twitter @JI9Szg7QZVpK8Uk
泣きたいとき、苦しいとき、辛いときに観てほしい。かなり古いモノクロ映画ですが、心の中の一番深い部分に届くと思う。登場人物は、ザンパノとジェルソミーナのほぼふたりだけで、ストーリーも比較的シンプル。時間もあまり長くないので、普段あまり映画を観ていない人にもおすすめ。逆に色々なドラマが展開するタイプの作品ではないけど、こういう映画があるということも知ってもらえたら。作中で出てくる「ジェルソミーナのテーマ」は、どこかで耳にしたことがあるかも。
貝澤駿一
1992年生まれ。「かりん」「gekoの会」所属。気に入った映画をくりかえし観る派。好きな映画監督はスティーブン・ダルドリーとアルフォンソ・キュアロン。好きな俳優はイーサン・ホークとグウィネス・パルトロウ。
Twitter @y_xy11
貝澤駿一さんのインスパイア短歌
『ジェルソミーナにさよならを』
ジェルソミーナ町をさまようモノクロの夜を思えば浅き眠りよ
道化師のはるかな涙落ちるとき虹はくだけぬものと知りたり
こぼれおちてしまうそれでも砂を抱くザンパノという孤独のうつわ
へたくそなトランペットが風に消えジェルソミーナの歌だと気づく
石ひとつ汚すことなどできぬならあなたは守るほうでいなさい
歌人のオススメ映画4:ゴールデンスランバー
オススメする人:宇野なずきさん→オススメされる人:春名柊夜さん
宇野なずき
インターネットを中心に活動する歌人。Twitterやnote
Twitter:@unonazuki
note:https://note.mu/regulusalpha
歌集「最初からやり直してください」
伊坂幸太郎の小説が原作の2010年公開の映画。首相暗殺の濡れ衣を着せられた男がいろいろ頑張って逃げる話。堺雅人が家電量販店でPSPを買ったり劇団ひとりが殴られたりする。この作品を観た翌日、警察に追いかけられる悪夢を見ました。まあまあ逃げることが出来たので良かったです。
春名柊夜
市立横浜サイエンスフロンティア高校10期生。
短歌とか百合小説とか。今年を百合元年だと思い込んでいる。
推しのVは「えのぐ」。特に「あんたま」推し。子役で「GANTZ」などに出演。
Twitter @masatokun32kt
春名柊夜さんのインスパイア短歌
『楽観』
Twitterで騒いでおけば大体の映画は開始五分で終わる
才能の無駄遣い度で言ったなら劇団ひとりかゆゆうたレベル
君が透明人間になる前に住所言っとくから手紙くれ
裏切りをしたって最後に種明かししとけば良い奴には見えるよ
色々と言いたいことはあるけれど結局最後はキャラがめっちゃいい