エッセイ

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エッセイ

まどろみの中で見た夢の話−笹井宏之『てんとろり』との出会い

夜更けの都市高を走るバスに揺られながら、まどろみのなかで見た夢の記憶を、僕は引きずって生きている。 これはまだ福岡で、大学最後の一年を過ごしていた頃の話。 * 日が昇っては沈み、出会っては別れ、生まれては死ぬ。永遠なんて幻想で、思い出に...
エッセイ

短歌とミニエッセイ「その木の名前」

5月には行かないだろうあの街にこぼれるようにさみどりの花 名前は記憶をつなぎとめる糸のようなものだと思う。もしかしたら、人間以外の生き物たちは名前がなくても生きていけるのかもしれない。カラスは「カラス」じゃなくてもいいし、タンポポはおそらく...
エッセイ

気持ちを言葉にできないのなら、全部短歌にしてしまえ。

言葉を知れば知るほど、その無力さに途方に暮れることがある。 さみしいと言っても、さみしくないと言っても嘘になる。 死にたいと言っても、生きたいと言っても嘘になる。 この世界が好きだと言っても、憎いと言っても嘘になる。 ...
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